日本にいる3000種類のハチのうち、人を刺す主な種類はスズメバチ類、アシナガバチ類、ミツバチ類の数種類です。
アシナガバチ、ミツバチは攻撃性が低く益虫でもあるので、駆除の必要はあまりないでしょう。
また、大型のハチであるクマバチ(クマンバチ)はオスに針はなく、メスにしてもめったに刺すことはないので心配はありません。(地方によってはクマバチ、スズメバチのような大きなハチを合わせてクマンバチと呼ぶ場合があります)
一見スズメバチに似ているアシナガバチですが、比較すると大きさも小さく、足が長くスリムな体形で、その巣はスズメバチのもののような外皮がなく、おわん型をしているのですぐわかります。
注意が必要なのはスズメバチです。
樹枝、軒先、壁間に巣を作るキイロスズメバチ、土中、樹中に営巣するオオスズメバチ、低木の枝、軒先、電線に巣を作るコガタスズメバチなどの種類があり、春先から作られる巣は秋口に最大になります。その被害は、熊に襲われたり毒蛇にかまれるより、年間の死亡者数が多いほどです。
スズメバチは攻撃性が高く、強烈な毒針を持ち、その針はミツバチのように一回きりでなく、何度でも刺すことが出来ます。
毒液は刺すだけでなく、空中に散布することもあり、それが目に入ると失明の危険や、皮膚に触れると炎症をおこしたりします。
その毒物質は、神経系や免疫系に作用し、激しい痛みだけでなく、急性アレルギー反応(アナフィラキシーショック)を引き起こし、死に至る危険もあるのです。
またその巣は、家の軒下や梁といった足場の悪い高所にある場合が多く、転落・転倒といった二次被害の危険があるため、その駆除・除去は一般の方は避けた方がいいでしょう。